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設計事務所と丁寧に建てる、 自由でクリエイティブな家。

3年目の実感をインタビュー

 吹き抜けから家の奥深くまで光がさし、真冬でも日が出ていればポカポカしてます。海から朝日が登る頃、和紙の白壁は真っ赤に染まります。夕日がピンクに沈むまで、瞬間瞬間の太陽の色が家中に満ちています。
 どこに居るより自宅の居心地がいい。一年目、家族は総出でツルハシを担ぎ庭を開墾!一輪車で何十杯という土を運び、植木を買ってきては植え。薪棚を作り、畑を拓き……週末を待ちきれず、野外のライトを照らし夜な夜な作業しました。一年目二年目と充実してきた庭に、今年はミツバチの巣箱を設置しました。はじめてのハチミツがとれるのが楽しみです。
 この土地と暮らしは奇跡なんです。最初の候補地は普通の分譲地だった。率直な意見を求めたら中村さんが「らしくない」って。たしかに。私達、山登りが趣味なんです。山小屋が好きで、板倉風の家で暮らしたかった。一緒に土地を探してもらっていると縁と運が重なり、今の敷地で建てることになりました。
 敷地が決まった当初、私達がイメージしたのは、実家の間取りを参考に、玄関近くに客間のある東向きの平屋。建ったのは、南向きの二階建て。和室は一階の奥。
 住んでみると東は人通りが多くて気がかり。南向きだと誰にはばかることなく海と庭だけを眺めて暮らせました。平屋ならこんなに広く庭をとれなかった。客間は玄関を入ってすぐなら東……だけど中村さんの「お客さんは年に何回来られます?」が決め手でした。何年に一回も来んね……と。普段使いの過ごしやすさを優先して、和室は西へ移しました。

 プロに頼む甲斐って、こういう事だと思うんです。
 家族には「こうしたい」「ああしたい」という想いがあります。でも発想の範囲は知識や経験に限定されてしまう。目的のためのベストを選択するために、専門家の言葉は大事かも。業者さんの家を巡ったとき違和感のある所を質問すると、何度も「建主さんのご意向で」と笑顔の返答をいただきました。ご家族は悪い気はしないでしょうけれど。「本当にそれで良かったの?」「プロとして思うところは……?」と、モヤモヤして……。ちゃんとコミュニケーションを重ねて、知識や技術に基づいた提案をもらえ、納得がいくまで考えられた。私達の家がこのカタチで建ったことに満足しています。(住まい手ご夫妻)




南の庭は、家族の遊び場。この庭の向こうに、大海原の見晴らしが広がります。


北側の奥深くにあるキッチンへも、冬は吹き抜けからさんさんと南の陽が届く。


食器や調理器具を納める一角。オリジナルの造作は、道具がよく片付きます。


2階。ホールは蔵書が収まる書斎コーナーに。子供部屋など個室が集まっています。


開放的な吹き抜け。冬は陽だまり、夏は爽やかな風を呼びこみます。眺望も◎!


手作りの、耐火レンガ製バーベキューセット。台風の倒木を生かした丸太イス。


夏は木陰のように涼しい。吟味を重ね、日頃使える寛ぎの和室が完成しました。





その人らしく、
その土地らしく、気持ちよく。




建築におけるデザインといえば、「間取りや外観のこと」とイメージする方も多いでしょう。
それらはデザインの要素ではありますが、すべてではありません。
この建築は自分にとって何を意味するのか?
手順を踏まえながら一つ一つ判断することが必要です。

デザインとは、単に機能や美的造形だけを軸足とする活動ではなく、精神的・物質的に満足できる未来社会や生活のありようを形づくる活動であると、私たちは理解しています。

その人らしく、その土地らしく、気持ちよく暮らせる家。
心弾む空間づくりに、取り組んでいます。

建築家・中村 伸吾



|お問い合わせ

中村伸吾建築設計室

TEL:0739-24-3824

田辺市新万29-24 [MAP]

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木の家工房Mo-ku 
TEL:073-464-5545
和歌山市楠本239-8 [MAP]
営業時間/10:00~17:00 定休日/火曜・水曜

Mo-kuは中村設計のギャラリーです。



おすまみ編集部1

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